ホワイトボックス 【white box】

概要

ホワイトボックス(white box)とは、内部構造や動作原理、仕様などが公開されたり明らかになっている装置やソフトウェアシステムなどのこと。ビジネス分野では、いわゆるノーブランド製品やショップブランド製品など、メーカーの自社ブランド以外の製品をこのように呼ぶことがある。

内部構造や動作原理が不明なもの、あるいは、対象の内部構造などが分からないことを前提に入力出力のみに着目する考え方のことを「ブラックボックス」(black box)という。これと対比する文脈で、内部構造が分かっているものや、内部構造を前提とする考え方をホワイトボックスということがある。

ホワイトボックス製品

パソコンサーバなどのコンピュータ製品のうち、大手メーカーが自らのブランドで販売しているもの以外の製品をホワイトボックスと総称することがある。特定のブランドを冠さず販売されるものは「ノーブランド」(ノンブランド)、販売店の独自ブランドで販売されるものは「ショップブランド」とも呼ばれる。

主に販売店が自ら製造したり、受託製造業者から仕入れて自らのブランドで販売しているものが多いが、自らのブランドや販路を持たない中小製造業者の製品や、大手メーカーにOEM提供している製品と同じものを他の流通ルートで販売しているものなども含まれることがある。

仕様や部品の構成などが公開あるいは標準化され、ある程度市場が成熟している製品カテゴリーでよく見られる販売形態であり、よく知られるのはWindowsパソコンのホワイトボックス製品だが、近年ではホワイトボックスサーバやホワイトボックススイッチ(ネットワークスイッチのホワイトボックス製品)などもよく見られるようになっている。

ホワイトボックステスト

ソフトウェアなどのテスト手法の一つで、システム内部の構造を理解した上でそれら一つ一つが意図した通りに動作しているかを確認する方式を「ホワイトボックステスト」(white box testing)という。「ブラックボックステスト」(black box testing)の対義語で、プログラムソースコードの記述内容など内部実装に基づいてテストケースなどを検討する手法を指す。

(2024.1.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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