キャリッジリターン【CR】Carriage Return/行頭復帰
概要

もとはテレタイプ端末やシリアルプリンタなどの機器を制御するコードだった。これらの機器では一文字印字する毎に現在位置を指し示すカーソルやヘッドが右に一文字ずつ移動していくため、これを同じ行の先頭に戻すよう指示するコードだった。
一方、現在位置を一段下げて次行に移す動作を表すコードとして、「LF」(Line Feed/ラインフィード/改行)が用いられ、ASCIIコードでは10番(16進数で0A)に割り当てられた。文末などで次行の先頭に移動したい場合はCRとLFを続けて送信する必要があった。
時代が下り、コンピュータやディスプレイ装置が普及すると、改行と行頭復帰は一体的な動作とするのが一般的となり、CRとLFが別に存在する意義は薄れたが、今度はコンピュータ上の改行動作をCRで表すか、LFで表すか、CRとLFを続けて記すか(CRLF)が問題となった。
このような歴史的背景から、システムによって標準の改行コードは異なっており、MS-DOSやWindowsなどでは「CRLF」(0D+0A)を、かつてのMac OSなどでは「CR」を、UNIX系OSや現行のmacOS(Mac OS X)などでは「LF」をそれぞれ標準とする。テキストエディタなどはこのいずれも対しても同じよう対応するものが多い。
なお、標準的なキーボードでは文字領域の右端にある最も大きな「Enterキー」を押すと、キャリッジリターンを表すキーコードがコンピュータ本体へ送信されるようになっている。多くのキーボードでは「↵」という記号が刻印されており、以前は「Returnキー」とも呼ばれていた。
(2024.1.15更新)