Silverlight
概要
Silverlightとは、米マイクロソフト(Microsoft)社が提供していたWebブラウザの拡張機能で、文字や画像、音声、動画、ベクターアニメーション、簡易なプログラムなどを組み合わせたコンテンツを再生・実行するもの。同社のInternet Explorerの他、Google ChromeやMozilla Firefox、Apple Safariなど他社製ブラウザ向けにも提供された。HTMLやCSSなど通常のWebページの技術では困難な高い表現力や操作性を備えたアプリケーションをブラウザ上で実現することができる。いわゆるRIA(Rich Internet Application)プラットフォームと呼ばれる技術の一つで、似た技術としてAdobe Flashがある。
SilverlightはもともとMicrosoft .NET(.NET Framework)上でユーザーインターフェースを提供するWPF(Windows Presentation Framework)のWebブラウザ向けの縮小版(サブセット)として開発されたため、当初は「WPF/E」(WPF/Everywhere)と呼ばれていた。
WPFの仕様を引き継いでおり、画面のレイアウトなどはXAML(Extensible Application Markup Language)と呼ばれるXMLベースの言語で記述し、プログラムの開発にはC#やVisual Basic .NET、JScript .NETなど同社が.NET環境向けに提供しているプログラミング言語を用いる。
特徴的な機能として、Windows標準のWMV(Windows Media Video)形式の動画を利用できる点や、動画のストリーミング配信を行う際に相手方の環境に応じて動的にビットレートを変更する機能(SmoothStreaming)を利用できる点、独自の著作権保護機能(Silverlight DRM)でコンテンツを保護できる点などがある。
最初のバージョンは2007年に公開され、同社はWindowsおよびInternet Explorerの標準RIA環境とすべく推進してきたが、2012年のSilverlight 5.1を最後に更新されなくなった。2015年に同社はWindowsの新しい標準WebブラウザであるMicrosoft EdgeでSilverlightをサポートしないと発表し、Silverlightは事実上終了した。最終バージョンのサポートは2021年まで。