JScript

概要

JScriptとは、JavaScriptを米マイクロソフト(Microsoft)社が独自に実装したもの。基本的な仕様や文法は踏襲しながら、同社のソフトウェア技術との連携に関わる独自仕様などが盛り込まれている。実行環境は同社製ソフトウェアなどに組み込まれて提供されている。

JavaScriptとしての基本的な仕様は標準規格のECMAScriptや他社の実装とほぼ変わらないが、Windows上の部品化されたソフトウェアであるCOMオブジェクトを呼び出して利用する機能など独自の拡張が施されており、ファイルデータベースの操作、ネットワーク通信など様々な機能が利用できる。

同社のWebブラウザInternet ExplorerHTMLページ内に埋め込まれたJScriptプログラム実行できるほか、Windows Scripting HostWSH)を用いてWindows上でプログラムを直に実行することができる、また、同社のWebサーバInternet Information ServicesIIS)の拡張機能であるASPActive Server Pages)では標準の開発言語の一つとなっており、JScriptプログラムから動的Webページを生成してクライアントへ送信することができる。

これらの実行環境は同社のVisual Basicから派生した「VBScript」もサポートしており、機能面はJScriptとほぼ同等であるため、好きな方を選択して利用できるようになっている。

JScript .NET

.NET Frameworkの登場とともに、.NET環境用のJScript実装として「JScript .NET」(ジェイスクリプト・ドットネット)が開発・提供されるようになった。他の.NET言語と同じように中間言語形式(CILCommon Intermediate Language)に変換され、.NET環境ならばどこでも同じように実行できる。

同社の標準の開発環境である「Visual Studio .NET」ではサポートされず、コマンドラインツールなどが付属するのみで、ASP.NETで僅かに使われる程度であまり普及していない。同社はJavaScriptデータ型の記法などを追加した「TypeScript」を推進するようになったため、JScriptおよびJScript .NETの仕様や処理系の更新は打ち切り状態となっている。

(2022.5.24更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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