デジタルカメラ 【digital camera】 デジカメ

概要

デジタルカメラ(digital camera)とは、光に反応する半導体素子(イメージセンサー)を用いて外界からの光をレンズを通じて受光し、デジタルデータに変換して記憶媒体に記録する装置。現代ではスマートフォンなどにその機能が統合されており、撮影機能のみを持つ機器をこのように呼ぶ。

静止画像を撮影できるものを「デジタルスチルカメラ」(DSC:Digital Still Camera)、映像を録画できるものを「デジタルビデオカメラ」(DVC:Digital Video Camera)というが、単にデジタルカメラといった場合は前者を指すのが一般的である。

スチルカメラのうち、レンズ固定式で光学式ファインダーを省略するなど簡略な機構を採用し、小型・軽量で安価な機種を「コンパクトデジタルカメラ」(compact digital camera)あるいは略して「コンデジ」、レンズ交換式で光学式ファインダーを備え、高性能だが大型で高級な機種を「デジタル一眼レフカメラ」(DSLRDigital Single Lens Reflex camera)あるいは略して「デジ一眼」という。

両者の中間で、レンズ交換式だが内部のミラーを省略してファインダーデジタル化したものは「ミラーレス一眼カメラ」(MILC:Mirrorless Interchangeable-Lens camera)という。現在では単に「デジタル一眼」といった場合はミラーレス型を指すことが多い。

筐体背面(レンズの逆側)などに小型の液晶画面を備え、レンズの捉えた光景を確認しながら撮影したり、撮影した画像や映像をその場で表示・再生して確認することができる。画像はフラッシュメモリなどの記録メディアデジタルデータとして記録する。

20世紀以前のフィルムカメラなどに比べ、コンピュータなど別の機器や記憶媒体に無損失で伝送・複製でき、フィルムのように経年劣化せず、気に入らないものはその場で消去して再び撮影することができる。また、媒体の容量によっては数万枚の静止画像や数十時間の映像を記録できるものもある。

20世紀末に実用化され、当初はパソコン周辺機器の一種として登場したが、パソコンの普及とも相まって次第に従来の銀塩式のフィルムカメラの代替品として認識されるようになり、2000年代中頃までにはほぼ従来式のカメラに取って代わった。

ちょうどその頃からカメラ機能を内蔵した携帯電話が登場しはじめ、2010年代になるとスマートフォンのカメラ機能が主流となった。コンパクトデジタルカメラはスマートフォンに置き換えられ消えつつあり、近年では単に「デジタルカメラ」と言えば一眼型を指すことが多い。

(2024.6.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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