読み方 : さいげんりつ

再現率【recall】

概要

再現率とは、検査や予測の精度を示す指標の一つで、実際には正だった例のうち、正しく正と予想できていた例の比率。正例の「見逃し」をどれだけ防ぐことができたかを表している。機械学習モデルの予測性能の検証にも用いられる。

検査や予測では、感染の有無、品質の合格・不合格のように、対象を「Xである」「Xではない」のいずれかに分類することがよく行われる。これと、「実際にXであったかどうか」を組み合わせ、4つの状態が考えられる。

「Xであると予想して、実際Xだった」例を「真陽性」(TP:True Positive)、「Xではないと予想して、実際にXではなかった」例を「真陰性」(TNTrue Negative)、「Xと予想したが、Xではなかった」例を「偽陽性」(FP:False Positive)、「Xではないと予想したが、Xだった」例を「偽陰性」(FN:False Negative)という。

再現率の性質

再現率は、実際には陽性だった例の中で、予想も陽性だった例の割合である。真陽性の数を、真陽性偽陰性の数の和で割って求める。例えば、100例のうち実際の陽性は10例あり、そのうち予想も陽性だった真陽性が9例、予想は陰性だった偽陰性が1例であれば、再現率は 9÷(1+9)=0.9 で90%となる。

再現率は、実際の陽性例をすべて正解できれば1となり、すべて誤って陰性と予想していたら0になる。実際の陰性がいくつあるかには影響されない。重い病気の検査など、陽性例を見逃して陰性と誤判定してしまうと重大な結果に繋がるような場合に重視される指標である。

他の指標

予想の精度を表す指標は他にもあり、データの性質に応じて他の指標を用いたり、再現率と併用することがある。例えば、全例の中で予想が正解だった例の割合は「正解率」(accuracy)という。また、陽性と予想した例のうち、実際に陽性だった例の割合を「適合率」(precision)と呼び、真陽性を、真陽性偽陽性の和で割る。

(2025.11.16更新)