OTT 【Over-The-Top】
概要
OTT(Over-The-Top)とは、動画配信など通信容量を大量に使用するインターネット上のサービスのうち、運営主体が通信事業者やインターネットサービスプロバイダ(ISP)と無関係なもの。また、そのようなサービスを提供する事業者。パソコンやスマートフォンなどから、回線の契約先などによらずインターネットを通じて誰でもオープンに利用できる動画や音声の配信サービス、音声通話、ビデオ通話サービスなどがこれに当たる。
従来このようなサービスはインフラの構築・維持や代金回収などに回線事業者(キャリア)やISPの協力が不可欠と考えられ、通信事業者自身あるいは提携・合弁した企業などにより提供されることが多かった。通信インフラと一体的に提供することで通信品質が安定し、通信料の請求にサービス使用料を上乗せできるなどの利点があるが、加入者以外は利用できないため利用者の拡大に限度がある。
これに対し、OTT事業者は通信回線を単なるデータの通り道と考え、インターネット上の独自のWebサイトや、独自のソフトウェア(PC向けクライアントソフトやスマートフォンアプリなど)や端末(セットトップボックスなど)を通じてこうしたサービスを提供する。
利用者の契約回線の違いや国の壁などを乗り越えて広く利用者を集めることができ、回線の「おまけ」ではなくサービス自体に事業として集中できるため、魅力ある機能やコンテンツ、サービス内容を提供できる強みがある。
決済手段の多様化やインターネットの通信インフラの高度化・大容量化が進んだことでサービス品質上の差も埋まり、YouTubeやNetflixなどグローバルに展開して数億人に及ぶ加入者を集める巨大サービスも誕生している。
(2020.2.14更新)