GIMP 【GNU Image Manipulation Program】
概要
GIMP(GNU Image Manipulation Program)とは、主にLinuxなどのUNIX系OSで用いられる画像編集ソフト。GPL(GNU General Public License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されている。ラスター形式(ビットマップ形式)の画像に描画、加工、合成などを行なうことができる、いわゆる「フォトレタッチソフト」の一種で、多彩な機能を備え商用ソフトウェアに引けを取らない高機能なソフトウェアとして高く評価されている。
レイヤー機能や豊富なエフェクトやブラシ、曲線に対応したパス、アニメーション、透過処理、主要な画像ファイル形式による読み込みや書き出しなどの機能を標準で内蔵し、プラグインによる機能の追加やスクリプトによる作業の自動化などにも対応している。
主にコンピュータ上で取り扱う画像の処理を主眼に開発されたため、カラーマネジメント(カラープロファイル)への対応などは進んだものの、標準ではCMYK形式への変換に対応していないなど、印刷原稿の編集はあまり得意ではない。
対話的な操作だけでなくスクリプト(簡易プログラム)による自動操作も可能となっている。また、GIMPのために開発されたグラフィックス関連のプログラム部品を抜き出してひとまとめにしたライブラリが「GTK」(GIMP Toolkit)および「GTK+」として公開されており、様々なソフトウェアに組み込まれて普及している。
標準では「XCF」(eXperimental Computing Facility)形式という独自のファイル形式が用いられ、レイヤーやパス、透明度などGIMPのすべての編集情報を維持したまま画像をファイルに書き出すことができる。また、JPEGやPNG、GIF、BMP、TIFF、SVG、EPS、PSDなど一般的な画像ファイル形式の多くに対応し、PDFファイルのインポートなども可能である。
(2022.6.7更新)