読み方 : さいゆうほう
最尤法【maximum likelihood estimation】最尤推定

まず、手元にあるデータが正規分布やポアソン分布など何らかの特定の確率モデル(確率分布)に従うと仮定する。こうした分布には母数、平均、分散などのパラメータがあるが、具体的な値は不明である。どのようなパラメータを選べば分布が手元のデータに最も当てはまるか(尤もらしいか)を推定したい。
そのために、「尤度」という指標を考える。何らかの具体的なパラメータの値のもとで、実際の手元のデータが得られる確率を求め、すべてのサンプルについて掛け合わせた積のことである。これを、パラメータを与えると積が得られる関数(尤度関数)と考え、尤度が最大となるようなパラメータを算出する。
尤度そのものの最大値を直接求めることは難しいため、便宜上、対数を取った「対数尤度」を考え、これをパラメータで微分した導関数の値が0となる頂点を求めるという手順が用いられることが多い。この頂点におけるパラメータの値が、最も手元のデータに当てはまる確率モデルが持つパラメータ(最尤推定量)を表している。
最尤法によって得られた推定値は、データ量が十分大きければ、真の値に非常に近い値となる(一致性)ことや、推定値のばらつきが最も小さくなる(効率性)といった望ましい性質を持つことが知られている。回帰分析や機械学習など様々な分野で標準的な推定方法として利用されている。
(2025.12.12更新)