読み方 : ハズアかんけい

has-a関係

概要

has-a関係とは、ある概念が、別の概念を構成要素として持つという関係のこと。知識表現オブジェクト指向設計などで対象間の関係性を記述するのに用いられる考え方の一つである。
has-a関係のイメージ画像

英文で「A has a B」(AはBを持つ)と表すことができる関係で、Aは全体、Bはその構成要素という関係となる。例えば、「東京都 has-a 千代田区」「猫 has-a 尻尾」ということができる。「B is a part of A」と主客を逆転させて「part-of関係」と言う場合もある。

「一部である」という状態は実際には多様であるため、複数の命題に推移律が成立するとは限らない。例えば、千代田区について「日本国 has-a 東京都」から「日本国 has-a 千代田区」と言うことはできるが、猫の尻尾について「猫カフェ has-a 猫」から「猫カフェ has-a 尻尾」と言うことはできない。

また、「木 has-a 葉」のような場合は木から葉を取り去っても、木は木のまま、葉は葉のままだが、has-a関係の中には、要素を取り除くと、要素あるいは全体、その両方が元の概念として成立しなくなる場合がある。

例えば、「猫カフェ has-a 猫」の猫を取り除くと、ただのカフェになってしまう。「パン has-a 小麦粉」の小麦粉を除くと、パンは消滅してしまう。「夫婦 has-a 妻」から妻を取り除くと、夫婦は消滅し、妻も独身女性になる。

(2025.9.10更新)