マイコン 【microcontroller】 microcomputer

概要

マイコン(microcontroller)とは、マイクロコントローラあるいはマイクロコンピュータの略で、前者は組み込みシステム向けの統合型のICチップ、後者はパソコンの旧称を意味する。

マイクロコントローラ (MCU:Micro-Control Unit)

コンピュータの機能一式を一枚のICチップ実装した製品。家電製品や産業機械などの制御用コンピュータとして組み込まれる。

演算・制御装置CPU)、メモリ装置(RAMROM)、入出力回路(I/O)、タイマー回路などを一つの集積回路実装した製品で、単体でコンピュータとしての一通りの機能を有する。マイコンを含む制御システムを「マイコンシステム」あるいは「組み込みシステム」(エンベッドシステムembedded system)という。

マイコンは機器の制御という目的から、パソコンなどに内蔵されるマイクロプロセッサに比べ機能はシンプルで性能も低いが、安価で他に必要な部品も少なく、システム全体の基板面積や部品点数、消費電力を少なく抑えることができる。現在では家電からAV機器携帯電話、産業機械、自動車などほとんどの電子・機械製品に何らかの形でマイコンが組み込まれている。

マイクロコンピュータ

マイコンのイメージ画像

個人向けの小型で安価な汎用コンピュータの、1970~80年代における一般的な名称。現在では一般的に「パーソナルコンピュータ」(パソコンPCPersonal Computer)と呼ばれる製品カテゴリの創成期の呼称。

コンピュータといえば企業などの大きな組織が利用する大型汎用機メインフレーム)やミニコンピュータオフィスコンピュータなどしかなかった1970年代後半、安価なマイクロプロセッサの発明により個人が家庭で使える汎用コンピュータとしてマイコンが登場した。

当初は限られた好事家が購入・利用するに過ぎなかったが、性能や機能の向上、低価格化、優れたオペレーティングシステムOS)や業務に使えるソフトウェアの登場などにより、次第にオフィスや家庭に普及していった。1980年代後半頃から「パソコン」という呼称が広まり始め、現在では歴史的な文脈以外でマイコンと呼ぶことはほとんどない。

(2019.4.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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