デジタイゼーション 【digitization】
概要
デジタイゼーション(digitization)とは、物事の仕組みや手段にデジタル技術を取り入れるデジタル化の段階の一つで、情報の形態や形式を紙面などの物体やアナログ形式からコンピュータ上のファイルなどデジタル形式に置き換えること。手書きの紙や電話など旧来の手段で進めていた業務などにコンピュータや通信ネットワークなどのデジタル技術を取り入れて効率化や省力化を進めることをデジタル化というが、導入する技術や変革の度合いなどに応じていくつかの段階がある。
デジタイゼーションはまったくデジタル的でなかった現場で最初に行われる、最も単純なデジタル化の段階であり、物理的あるいはアナログ的な道具や手段などを、対応するデジタル的な存在で単に置き換えることを指す。
例えば、書類をイメージスキャナで取り込んで画像ファイルやPDF文書などに変換して保存したり、ファクシミリ(FAX)や郵便の代わりに電子メールを導入することなどが該当する。情報の保管や伝送がデジタル技術に置き換わり効率化やコスト削減などを進める効果はあるが、ビジネスの仕組みや業務手順などはアナログ時代と特に変わらない。
なお、電子工学などの分野で、連続的なアナログ信号を離散的なデジタルデータの集合に変換することや、その応用(音声のデジタル録音など)も “digitization” というが、これを意味する外来語としては動詞形の “digitize” に由来する「デジタイズ」という用語が定着している。
デジタイゼーションが浸透した組織では、次の段階として、業務手順などをデジタル技術を前提とした「デジタルならでは」の方法で置き換えていく「デジタライゼーション」(digitalization)、さらに、事業や製品、組織などの在り方そのものをデジタルに最適化する「デジタルトランスフォーメーション」(DX:Digital Transformation)へ進むのが望ましいとされる。
(2023.5.10更新)