vsftpd【Very Secure FTP Daemon】
概要

FTPサーバとして、ファイルの転送や一覧表示、作成、削除といった操作をクライアントに提供する。ユーザー名とパスワードによる認証を経てアクセスを許可する通常の構成のほか、認証不要で接続できる「anonymous FTP」モードにも対応しており、公開FTPサーバとしての運用も可能である。
セキュリティを重視した設計で知らる。ネットワーク越しに公開されるサーバソフトウェアは不正侵入の標的になりやすいため、vsftpdではプロセスを分離して権限を最小限に抑える仕組みや、利用者ごとにアクセス可能な領域を限定する機能が実装されている。特定の利用者をホームディレクトリ以下に閉じ込めるchroot機能と組み合わせることで、サーバ内の他領域への侵入を防ぐ運用も行われている。
通常のFTP通信のほか、SSL/TLSで通信内容を暗号化するFTPS接続にも対応する。平文で認証情報やファイルを送受信する素のFTPとは異なり、FTPSを利用することで盗聴や改竄のリスクを低減できる。IPv6環境にも対応しており、IPv4との両方で利用可能である。設定はテキスト形式の設定ファイルで管理し、匿名アクセスの可否、アップロードの許可、接続ディレクトリの制限、ログ出力など様々な項目を細かく制御できる。
開発者は著名なセキュリティ研究者のクリス・エバンス(Chris Evans)氏で、GPLに基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されている。Ubuntu Linux、Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Fedoraなど主要なLinuxディストリビューションで標準パッケージとして提供されており、RPM系ディストリビューションではパッケージ管理ツールを通じて容易に導入できる。近年では遠隔のファイル転送はSSHベースのSFTPへの移行が進んでいるが、既存システムとの互換性や運用上の要件から、vsftpdは現在も広く使われている。