WebSphere【IBM WebSphere Application Server】
概要

企業向けのWebアプリケーションを開発・実行・管理するために提供されるミドルウェア製品群で、オペレーティングシステム(OS)に追加してアプリケーションを実行する基盤として機能する。主にJava技術を基盤とし、大規模業務システムの運用を支えるアプリケーションサーバとして利用されている。
アプリケーションサーバとは、Webブラウザからの要求を受け取り、業務ロジックを実行し、データベースと連携して結果を返すための基盤ソフトウェアである。企業システムでは、在庫管理や受発注、顧客管理などの処理を安定して実行する必要があり、WebSphereはその実行環境を提供する役割を担う。
WebSphere Application Serverは、Jakarta EE(旧Java EE)の仕様に準拠し、サーブレットやJSP、EJBなどのコンポーネントを動作させることができる。開発者は標準的なJava技術を用いて業務アプリケーションを構築できる。トランザクション管理やセキュリティ制御、負荷分散など、大規模システムに求められる機能を標準で提供している。クラスタリングにより複数のサーバを束ねて一つのシステムとして運用することで、高可用性や拡張性を確保することができる。
WASとその関連ツールのほか、電子商取引(EC)プラットフォームの「WebSphere Commerce」、メッセージ指向ミドルウェア(メッセージキューイング)の「WebSphere MQ」や「WebSphere Message Broker」、ESB(Enterprise Service Bus)ハブの「WebSphere ESB」などの製品がある。近年ではコンテナ技術に最適化された軽量な「WebSphere Liberty」も提供されている。動作環境として同社のUNIX系OSである「AIX」やメインフレーム向けOSの「z/OS」のほか、WindowsやLinux、Solaris、HP-UXなどに対応する。