Radeon

概要

Radeonとは、米AMD社が製造・販売している、画像処理に特化した半導体チップ(GPUGraphics Processing Unit)の製品シリーズ名。パソコン向けのグラフィックスチップとして世界的に最も普及している製品の一つとなっている。

主に一般消費者向けのデスクトップパソコンノートパソコンに内蔵されるビデオチップとして用いられるほか、デスクトップパソコンに後から追加するビデオカードの中核的な部品としてもよく採用されている。

また、「PlayStation 4」や「Wii U」「Xbox One」といった家庭用ゲーム機のGPUとしてもRadeonのカスタム版が採用されている。グラフィックス処理の機能を他の計算用途に用いる「GPUコンピューティング」(GPGPU)技術を応用し、科学技術計算、大規模シミュレーションAI研究などで利用される高性能コンピュータでの採用例もある。

単体のICチップとして提供されるdGPUディスクリートGPU)型の製品は、同社や他社の製造するビデオカードに搭載されて販売されることが多い。設計やコストの制約が少ないため同世代の製品の中では最も高性能、高機能(、高価)で、高いグラフィックス性能を必要する3DCGや映像関連のクリエーターやゲーマーなどが買い求める。

一方、同社では主にパソコンで用いられるx86系x64CPU製品の大手でもあり、CPUチップの機能の一部としてグラフィックス回路を内蔵したiGPU内蔵GPU/統合GPU)型の製品も提供している。「Ryzen」シリーズなどの製品の多くにRadeon相当の回路が内蔵されており、CPU単体でビデオ機能を提供することができる。この方式は制約条件が大きいため性能はそこそこに留まる。

RadeonシリーズのチップはもともとカナダのATIテクノロジーズ(ATI Technologies)社が設計・製造していたが、2006年にAMD社が同社を買収したことにより、AMD社の製品およびブランドとなった。2010年からは「AMD Radeon」が正式なブランド名となっている。ライバルの米NVIDIA社は「GeForceジーフォース」シリーズのGPU製品で知られ、長年に渡り激しい競争を繰り広げている。

(2022.5.25更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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