Jython
概要
Jythonとは、Pythonの実行環境をJava仮想マシン上に実装したもの。1997年に「JPython」の名称で開発が始まり、バージョン2.0でJythonに改名された。オープンソースソフトウェアとして公開されている。Java言語で開発されたプログラムはJavaバイトコードと呼ばれる中間形式のプログラムに変換して配布され、実行時にJava仮想マシン(JVM:Java Virtual Machine)が実行環境で直接動作するネイティブコードに変換しながら実行するという仕組みになっている。
このバイトコードの仕様はCPUの機械語に近く、Java自体の仕様とは独立しているため、Java以外のプログラミング言語で書かれたプログラムをJavaバイトコードに変換すれば、JVMのある環境ならどこでも同じように実行することができる。
JythonはJVMで動作するPythonの実行環境で、Pythonで書かれたスクリプトをその場ですぐにバイトコードに変換して実行することができる。変換と実行を同時に進めるインタプリタ型の実行環境で、コンパイルなどの作業を行う必要はなく、記述したコードをすぐに実行することができる。
Pythonの言語機能や標準モジュールを使うことができるほか、Javaクラスを取り込んで実行する機能があり、Javaの組み込みクラスを利用したり、外部のJava向けにライブラリの機能を呼び出すこともできる。Pythonの対応バージョンは2.7までとなっており、3系への対応は進んでいない。
似た仕組みの処理系として、PythonプログラムをMicrosoft .NETの共通中間言語(CIL)形式のコードに変換し、.NET Frameworkなどの.NET環境で実行できるようにする「IronPython」(アイアンパイソン)がある。また、JVM上でスクリプト言語を実行する仕組みとして、Ruby言語をJVMで実行できる「JRuby」などがある。
(2022.10.26更新)