ロイヤリティ 【ロイヤルティ】 loyalty / royalty
概要
ロイヤリティ(ロイヤルティ)とは、英単語の “loyalty” あるいは “royalty” を音写した外来語。前者は忠誠(心)などの意味で、組織の構成員の忠誠心や、顧客が企業や製品に抱く親近感や愛着心などのことを指す。後者は権利料や王権といった意味で、知的財産権などの使用者が権利者に支払う対価などのことを指す。いずれの場合も「ロイヤ “リ” ティ」「ロイヤ “ル” ティ」と後ろのL音について二通りの表記の揺れがある。loyalty
忠誠(心)、忠義、忠実、誠実、愛情、愛着などの意味を持つ英単語。原義は国家や組織、主君への忠誠心、忠実さいった意味で、ビジネスの分野では、従業員の愛社精神や、顧客や消費者の企業や製品、ブランドなどへの愛着、信奉、親しみなどのことを指すことが多い。
顧客ロイヤリティあるいはブランドロイヤリティという場合、複数の製品やブランドが競合している市場で、消費者が好んである製品やブランドを選択・購入したり、顧客が好んで繰り返し特定の製品やブランドを購入することや、その度合いの強さを意味する。セールスやマーケティングの分野ではロイヤリティの形成や維持、強化が大きなテーマの一つとなっている。
royalty
使用料、印税、許諾料、権利料、王族、王権、王位などの意味を持つ英単語。ある知的財産などの権利を持つ者が、その権利を利用する者から徴収する料金などのことをロイヤリティという。著作権や商標権、特許権などについて実施されることが多い。
例えば、ある発明について特許権を得た人に対し、その発明を応用した製品を製造・販売する事業者が支払う特許使用料をロイヤリティという。算定基準や金額などは当事者間で交渉して契約として取り決めることが多いが、音楽著作権のように特定の団体などが一律の基準や方法で徴収を行なう方式が確立している業界もある。
ロイヤリティフリー (royalty-free)
著作物や知的財産の利用に関し、あらかじめ決められた契約や規約の範囲内ならば無償で自由に使用してよいとする方式。写真や画像、イラストなどの販売でよく用いられる。
ロイヤリティフリーを宣言する著作物などには、販売パッケージに付属する契約書などに一定の使用許諾条件が記載されており、条件を満たす枠内であれば改めて権利者に許諾の申請や使用料の支払いをしなくても複製や加工、再配布、自らの著作物への組み込みなどを行なうことができる。何をどこまでできるのかについて一般的には取り決めはなく、個別の事例により大きく異なるため、必ず規約に示された条件を確認する必要がある。
パブリックドメイン(public domain)など類似の概念と異なり、権利者は著作権や知的財産権などを放棄したわけではなく、購入者・使用者へ何らかの権利が譲渡されるわけでもない。すべての権利は原権利者や販売者が留保したままであり、規約の範囲を越えて、あるいは製品の購入者やサービスの契約者以外が無断で使用すれば、権利侵害として使用差し止めや損害賠償請求を求められる場合がある。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 国立国会図書館 カレントアウェアネス・ポータル「W3C,ロイヤリティフリーに基づく特許方針を承認」にて参照 (2003年6月)