サイバー 【cyber】
米数学者のノーバート・ウィーナー(Norbert Wiener)が1940年代に構想した、生体や機械における通信や制御を統合的に研究する学際的な研究分野「サイバネティックス」(cybernetics)から派生した語で、その語頭だけが接頭辞として他の名詞を修飾するようになり、後に独立した形容詞としても用いられるようになった。
ウィーナーはその語源を、古代ギリシャ語で「操舵手」や、転じて「統治者」「総督」「知事」などを意味する “κυβερνητικη ” (キュベルネーテース/ラテン文字による音写:kybernetes)であるとしている。
現代では「サイバー」は「サイバー攻撃」「サイバースペース」のようにコンピュータやコンピュータネットワークを表す接頭辞として用いられるが、特に、コンピュータやネットワークを含む情報・通信・デジタル技術全般を広く包含したい場合に用いられることが多い。
例えば、「コンピュータセキュリティ」なら「コンピュータのセキュリティ」に、「ネットワークセキュリティ」なら「ネットワークのセキュリティ」に意味が限定されてしまうが、「サイバーセキュリティ」であれば「コンピュータやネットワークなどに関するセキュリティ」と広い分野を総称することができる。
なお、日本の広告業界では俗に、デジタル広告やスマートフォンゲーム大手のサイバーエージェント社を指して「サイバー」と略す慣習がある。
(2023.9.20更新)