B-CASカード 【BS-Conditional Access Systems Card】
概要
B-CASカード(BS-Conditional Access Systems Card)とは、テレビ受像機やテレビチューナー、ビデオレコーダーなど、デジタル放送を受信できる機器に添付されている、放送データの暗号を解除するためのICカード。デジタル放送事業者が共同出資して設立した株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS)が発行している。日本の地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送などの受信・視聴のために必要なICチップが組み込まれたクレジットカード大のカードで、一枚ごとに固有の番号による機器や受信者の識別や、放送データの暗号を解除するための鍵データの提供などを行なう。
当初は有料放送を契約世帯でのみ再生できるようにするために導入されたが、無料放送でも不正コピー防止のための著作権保護(DRM)機能に対応した機器でのみ受信・視聴できるようにするため、B-CASカードによる認証が必要になった。NHKは受信者を識別し、受信料を請求する用途にも利用している。
現在では有料・無料に関わらずデジタルテレビ放送を試聴するには原則として必ずB-CASカードを機器に挿入しなければならないが、小型の機器では埋め込み型の特殊なカードを内蔵している場合もある。契約情報などはカードに紐付けられているため、機器を買い替えた際には今まで使っていたカードを差し込むことで同じように視聴できるようになる。
対応している放送波の違いなどによりいくつかの種類があり、地デジ・BS・CS三波共用の赤いカードや、地デジ専用の青いカード、ケーブルテレビ専用のオレンジ色のカードなどがよく用いられる。一般には流通していない、白や黒、黄色など店頭用や業務用の特殊なカードもある。
(2023.3.21更新)