Tegra
概要
Tegraとは、米エヌビディア(NVIDIA)社の統合型プロセッサ(SoC:System-on-a-Chip)製品のブランド名。CPUやGPU、動画の圧縮・伸長回路(コーデック)などが一つのチップに集積されている。CPUとして英ARM社の設計に基づいたARM系プロセッサが、GPU(Graphics Processing Unit)としてNVIDIA社のGeForceシリーズ相当の回路が内蔵されている。他に、2D画像処理や動画のエンコード/デコード、音声処理などのための回路、メモリコントローラ、外部インターフェースなどが内蔵されている。
チップ一枚にコンピュータとして必要な一通りの機能を組み込んだSoC型の製品となっている。使わないブロックの電源をこまめにオフにするなど、消費電力を抑えた設計になっており、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器に適した仕様となっている。
初代の「Tegra APX2500」は2008年に発表され、以降、Tegra 2、Tegra 3、Tegra 4、Tegra K1、Tegra X1、Tegra X2などの製品ラインが展開された。2016年以降、同社のSoC製品はシングルボードコンピュータの「Jetson」ブランド傘下で展開されるようになり、「Xavier」「Orin」「Thor」などの製品名で提供されている。
Tegraシリーズは初期には携帯電話端末や携帯音楽プレーヤーなどで、スマートフォン時代にはAndroid系端末や車載情報機器(インフォテインメントシステム)などで採用された。2015年発表のTegra X1のカスタムバージョンが任天堂の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」に内蔵されており、Tegraシリーズの最も有名かつ出荷数の多い採用事例となった。
(2023.8.22更新)