PAL 【Phase Alternating Line】
概要
PAL(Phase Alternating Line)とは、カラーのアナログ映像信号の方式の一つ。欧州をはじめ世界の多くの国で地上波アナログテレビ放送の信号方式として広く普及した。走査線(Line)毎に位相(Phase)を反転(Alternate)させることからこのように命名された。水平方向の走査線数が625本で、奇数番目と偶数番目の走査線を交互に書き換えるインターレース方式を採用している。毎秒50フィールド(毎秒50回)を走査し、25フレームを表示する。ブラジルでは走査線525本の方式を用いるなど、国・地域ごとに微妙に仕様の異なるバリエーションがいくつか存在する。
1967年に当時の西ドイツで開発され、フランスを除くヨーロッパの大半、中東の大半、アフリカのフランス語圏以外、アジア太平洋の大半、南米の4か国などで用いられた。日米などのNTSC、フランスや旧ソ連圏などのSECAMと並んでカラーのアナログテレビ放送の有力な方式の一つだった。ヨーロッパ向けの映像ソフトや映像機器などは映像信号をPAL方式で記録・伝送するものが多く、そのままでは北米や日本で使用・再生することができない。
(2021.5.25更新)