読み方 : エヌティーエスシー

NTSC【National Television Standards Committee】

概要

NTSCとは、地上波アナログテレビ放送の信号形式の標準規格の一つで、米国で策定され日本を含む様々な国・地域で利用されていたもの。走査線525本、フレームレート約30Hzで映像を表示することができる。
NTSCのイメージ画像

NTSCは1941年に白黒テレビの規格として米国で策定され、1953年にカラー放送に対応した改訂版が定められた。規格名はそのまま策定主体である「全米テレビジョン方式委員会」の名称となっている。日本では1960年にカラーテレビ放送が開始された際にこの規格が採用され、2011年の地上アナログ放送終了まで約50年にわたって使われた。

映像の仕様としては、水平走査周波数は15.75kHz垂直走査周波数は60Hzで、これは米国の交流電源周波数60Hzに由来するとされる。走査線の奇数本目と偶数本目を交互に走査する「インターレース方式」を採用しており、1回の画面走査で内容の半分が書き換わる仕組みになっている。

走査は毎秒60回行われ(60フィールド/秒)、1秒間の画面の書き換え回数であるフレームレートは30fpsフレーム毎秒)である。厳密には、カラー方式を策定する際に音声信号と映像信号の干渉などの問題から信号形式がモノクロ方式から大きく変更され、フレームレートが約29.97fpsとなった。

走査線の総数は525本だが、このうち実際に映像表示に使われるのは480本であるため、映像を取り込んでデジタル化する際の縦のピクセル数は480画素とすることが多い。画面の縦横比アスペクト比)は4:3が標準である。

世界のアナログテレビ規格としては、NTSCのほかに欧州・中東・アフリカなどで使われた「PAL」、フランスや旧ソ連圏で採用された「SECAM」が並立していた。PALは走査線625本、フィールド周波数50Hzを採用しており、NTSCより解像度が高い一方、フレームレートは低い。2000年代に動画のデジタル化が進んで以降もDVDやビデオカメラの仕様欄などでNTSC/PALの区別が記載されている場合があり、リージョンや再生互換性に関わる情報として現在も参照される。

世界の地上アナログテレビ方式

  NTSC PAL SECAM
北中米
アメリカ
アンティグア
 ・バーブーダ
エルサルバドル
カナダ
キューバ
グアテマラ
グリーンランド
コスタリカ
ジャマイカ
セントルシア
ドミニカ
ドミニカ共和国
トリニダード・トバゴ
ニカラグア
英領バージン
米領バージン
英領バミューダ
ハイチ
パナマ
バハマ
バルバドス
プエルトリコ
ホンジュラス
メキシコ
 
仏領マルチニーク島
仏領グアドループ島
南米
エクアドル
コロンビア
スリナム
チリ
ベネズエラ
ペルー
ボリビア
アルゼンチン
ウルグアイ
パラグアイ
ブラジル
仏領ガイアナ
大洋州
米領サモア
西サモア
ミクロネシア
オーストラリア
ニュージーランド
フィジー
パプアニューギニア
仏領タヒチ
仏領ニューカレドニア
東アジア
韓国
台湾
日本
中国
香港
北朝鮮
モンゴル
東南アジア
カンボジア
フィリピン
ミャンマー
インドネシア
シンガポール
タイ
ブルネイ
ベトナム
マレーシア
ラオス
 
南アジア  
アフガニスタン
インド
スリランカ
バングラデシュ
モルジブ
 
中東
西アジア
 
アラブ首長国連邦
イスラエル
オマーン
カタール
キプロス
クウェート
トルコ
バーレーン
パキスタン
ヨルダン
イラク
イラン
サウジアラビア
シリア
レバノン
旧ソ連    
アゼルバイジャン
アルメニア
ウクライナ
ウズベキスタン
エストニア
カザフスタン
キルギス
グルジア
タジキスタン
トルクメニスタン
ベラルーシ
モルドバ
ラトビア
リトアニア
ロシア
中東欧  
アルバニア
オーストリア
スロバキア*
スロベニア
チェコ*
ポーランド*
ボスニア
 ・ヘルツェゴビナ
マケドニア
スロバキア*
チェコ*
ハンガリー
ブルガリア
ポーランド*
マケドニア
ルーマニア
西欧
アイスランド
アイルランド
イギリス
イタリア
オランダ
サンマリノ
スイス
スウェーデン
スペイン
デンマーク
ドイツ
ノルウェー
フィンランド
ベルギー
ポルトガル
モナコ*
リヒテンシュタイン
ルクセンブルク*
ギリシャ
フランス
モナコ*
ルクセンブルク*
アフリカ  
アルジェリア
アンゴラ
イエメン
ウガンダ
ガーナ
カーボヴェルデ
カメルーン
ケニア
コンゴ
ザンビア
シエラレオネ
ジンバブエ
スーダン
スワジランド
タンザニア
中央アフリカ
ナイジェリア
ボツワナ
マラウイ
南アフリカ
モザンビーク
リベリア
エジプト
エチオピア
ガボン
ガンビア
ギニア
コートジボアール
コンゴ民主共和国
ジブチ
セネガル
チュニジア
トーゴ
ニジェール
ブルキナファソ
ベナン
マダガスカル
モーリシャス
モロッコ
リビア
仏領レユニオン島
* 2つの方式が並存
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。