読み方 : ブイビースクリプト

VBScript【Visual Basic Scripting Edition】

VBScriptとは?

米マイクロソフト(Microsoft)社が同社のプログラミング言語Visual Basic」(VB)を元に開発したスクリプト言語。記述したプログラムをすぐに実行できるインタプリタ型処理系を標準とし、Webページ上で実行するスクリプトの記述などに用いられた。単体のプログラムファイルとして保存する場合の標準の拡張子は「.vbs」。

同社のWebブラウザ、「Internet Explorer」(インターネット・エクスプローラー)がWebページ中で実行できるスクリプト言語の一つとして実装されたことでよく知られ、1990年代後半の初期のWeb上でWebページに動的な処理を実装する主要な手段としてよく利用された。

主な仕様・特徴

VB風の記法を採用しており、演算子や基本的な組み込み関数、プロシージャなど多くの仕様を引き継いでいる。簡易なオブジェクト指向言語としてクラス定義なども利用でき、実行環境のWindows内にあるOLEオブジェクトを呼び出してその機能を利用することで様々な処理を行うことができた。

一方、データ型Variant型のみの動的型付けで開発者がデータ型を明示的に指定できない、一部の制御構文の仕様が異なる、エラー処理に制約がある、組み込み関数の一部が存在しない、モジュールが使えないなど、元になったVBとの相違点も多く、コードの共用や移転ができるほどの互換性はなかった。

歴史と実行環境

1996年、当時人気のWebブラウザNetscape Navigator」(ネットスケープ・ナビゲーター)にスクリプト言語の「JavaScript」が実装されたことに対抗し、Microsoft社がInternet Explorer 3.0にVBScriptの実行環境を初めて内蔵した。同時に、JavaScriptのMicrosoft版実装(OLEオブジェクトなどが呼び出せる独自拡張版)である「JScript」の実行環境も内蔵され、開発者がどちらを選んでも正しく実行できることを売りにしていた。

同社の「ActiveX」戦略に基づき、Windows Server標準のWebサーバInternet Information Services」(IIS)上で動的にWebページを生成する「Active Server Pages」(ASP)のスクリプト言語の一つとして採用されたほか、Windows上でスクリプト言語を直接実行することができる「Windows Scripting Host」(WSH)でも実行環境が用意された。Webページ、WebサーバWindowsの3つの実行環境で利用できる用途の広い言語だった。

終焉

2000年代半ばに同社がActiveXに代わって「.NET」を推進し始めると、ASP.NETなど新たな製品群ではVBScriptがサポートされなくなり、VB系の言語は本家の後継である「Visual Basic .NET」が推奨されるようになった。Internet Explorerでも最終版のバージョン11では実行できなくなり、後継の「Microsoft Edge」でもサポートされなかった。WSHも開発が停止し「Windows PowerShell」で置き換えられるなど、実質的には開発・運用が終了した過去の言語となっている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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