JPGファイル 【.jpgファイル】 .jpegファイル

概要

JPGファイル(.jpgファイル)とは、JPEG方式で圧縮符号化された画像データを格納する標準のファイル形式。写真やCGなどの複雑な静止画像を配布・公開する用途などで標準的に用いられている。

JPEG方式は画像データの圧縮符号化方式の一つで、不可逆的な変化や画質の劣化、情報の欠損を許容する代わりに極めて小さなデータ圧縮することができる「非可逆圧縮」(lossy compression)方式を採用している。圧縮前の状態に完全に元通りにすることはできないが、画質次第では元データの数%といった劇的に小さなサイズに圧縮することができる。

JPEGの標準規格では当初は画像データの圧縮符号化方式のみを定め、標準のファイル形式コンテナフォーマット)を規定しなかったため、米C-Cube Microsystems社が考案した「JFIF」(JPEG File Interchange Format)と呼ばれる形式が広く普及し事実上の標準となった。

拡張子が「.jpg」あるいは「.jpeg」のJPEG画像ファイルは一般的にはこのJFIF形式か、あるいはその拡張形式のExif形式(カメラの撮影時などに使用)であることが多い。JFIF形式は2011年にITU-Tによって、2013年にISO/IECによって正式にJPEG規格に追加された。

JFIFでは符号化された画像データ本体の他に、その画像についての情報メタデータ)を付加する方法が規定されている。これを利用して解像度アスペクト比を画像を表示するソフトウェアなどに伝達することができる。

Exif規格では記録できるデータの種類を大幅に増やし、画像の向き、撮影日時、撮影場所のGPSデータ、撮影した機材の機種名、F値や露出、焦点距離など撮影時の設定、カラープロファイルなど様々な情報を付加できる(実際に何を記録するかは画像を保存する機材やソフトウェア次第)。

JPEGには様々な後継規格や派生規格があるが、混乱を避けるためファイル拡張子には「.jpg」「.jpeg」は使わずそれぞれ独自の記録形式を使用している。例えば、JPEG 2000は「.jp2」「.j2c」「.j2k」など、JPEG XRは「.jxr」といった具合である。

(2021.5.27更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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