INIファイル 【INI file】 .iniファイル / .ini file
概要
INIファイル(INI file)とは、初期のWindowsなどでソフトウェアの設定などを記述・保存するために用いられたファイル形式の一つ。テキスト形式のシンプルなフォーマットで、ファイル名の標準の拡張子が「.ini」であるためこのように呼ばれる。ソフトウェアの動作設定などを記述したファイルで、実行ファイルと同じディレクトリに置かれることが多い。原則として一行に一つずつ、「パラメータ名=設定値」という形式で設定内容を列挙していく。「;」(セミコロン)で始まる行は人間に向けたコメントで、ソフトウェアからは無視される。
複数のパラメータをまとめてグループ(セクションと呼ばれる)化することもでき、「[セクション名]」という形式の行を記述することで、次行からファイル末尾あるいは別のセクション宣言までの間のパラメータが同じセクションとして扱われる。
「INI」という略号は「初期化」を意味する “initialization” (イニシャラーゼーション)に由来する。ほとんどのファイルは拡張子を「.ini」とするが、稀に、この形式で記録されていても「.cfg」「.conf」「.txt」などの拡張子を持つファイルもある。
歴史
米マイクロソフト(Microsoft)社がMS-DOS時代に導入したファイル形式で、Windows 3.1(Win16)では読み書きのためのAPIも提供された。仕様が明確に規格化されていないため、アルファベットの大文字と小文字を区別するかどうかなど、ソフトウェアによって微妙に挙動が異なる場合がある。
Windows 95(Win32)以降では、動作設定をオペレーティングシステム(OS)側が用意した設定データ保管システムで一元的に管理する「レジストリ」(registry)と呼ばれる仕組みが導入されたため、INIファイルは次第に利用されなくなっていった。現在のWindowsではレジストリに加えてXMLファイルなども利用される。
(2023.12.11更新)