読み方 : ちょさくぶつ

著作物

概要

著作物とは、思想または感情を創作的に表現したもの。著作権法によって保護される対象を指す概念である。文章や絵画、写真、音楽など多様な表現形態が含まれ、主に創作性の有無が法的保護を受けられるかどうかを左右する基準となる。
著作物のイメージ画像

日本の著作権法では、保護の対象となる著作物について、以下の4つの条件を満たす表現と解釈される。思想または感情を含むこと、創作したものであること、表現したものであること、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものであること、の4つである。

著作物とは表現物のことであり、アイデアや理論、コンセプト、事実そのものといった「表現でないもの」は対象外となる。また、表現であっても創作性が必要とされ、形式的・定型的な文章や、独自性のない、ありふれた紋切り型の表現、誰が作っても同じになる作業的な表現は対象外となる。

創作性といっても、目新しさやプロのような芸術性の高さ、表現技術の高さといった質的な要求を課すものではなく、他人の模倣や定型表現でなければ幼児の絵などでも認められる。創作性の有無の判断は作品全体の印象だけでなく、個々の表現要素にも着目して行われる。

著作物に含まれる表現の形態には、文章や音楽、絵、写真、映画(興行上の映画だけでなく動画コンテンツ全般)、コンピュータプログラムコンピュータグラフィックスなどが含まれる。事実やデータの羅列は含まれないが、その選択や配列の仕方に創作性が認められる場合は、便覧やデータベースなどでも、その具体的な表現物について「編集著作物」「データベースの著作物」と解釈されることがある。

(2025.11.25更新)