読み方 : ネットワークそしき

ネットワーク組織

概要

ネットワーク組織とは、従来のピラミッド型のような上下関係による指揮命令系統ではなく、自律した個人や部門、企業が対等な関係で緩やかにつながり、協働する組織形態である。柔軟性が高く、環境変化へ迅速に対応できる点に特徴がある。
ネットワーク組織のイメージ画像

一般的に企業組織といえば、権限が上層部に集中し、上司から部下へ命令が下される「階層型組織」を指すことが多かった。しかし、ネットワーク組織組織はフラットな構造を持ち、各構成員が主体的に判断して行動する「自律性」を重視する。

ここでは、情報の流れが一方通行ではなく、網の目(ネットワーク)のように多方向に行き交うため、専門知識やノウハウが組織全体で共有されやすい。例えば、特定のプロジェクトのために社内外から専門家が集まり、任務完了とともに解散するといった形態がこれに当たる。企業の枠を超えた提携や、アウトソーシングの活用もネットワーク型の一種と捉えられる。

情報通信技術ICT)の発達により、個人やチームが物理的な制約を受けずに連携することが容易になったことが、この組織形態の普及を後押ししている。変化の激しい現代において、競合に対する高い競争力や差別化を維持したり、イノベーションを生むためには、多様な知の結合が必要だからである。

一方で、強力な中央集権的な統制がないため、意思決定の責任の所在が曖昧になったり、組織全体の方向性を統一するための調整コストが増大したりする側面もある。ネットワーク組織が機能するには、各メンバーをつなぎ止める求心力としての「共通の目的」や、高度な信頼関係の構築が不可欠となる。

(2025.11.22更新)

資格試験などの「ネットワーク組織」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平28春 問34】 次の特徴をもつ組織形態として、適切なものはどれか。・組織の構成員が、お互い対等な関係にあり、自律性を有している。・企業、部門の壁を乗り越えて編成されることもある。