オウンドメディア【owned media】
概要

コーポレートサイトやブランドサイト、公式ブログ、会員向けメールマガジンなどが該当し、広義には製品カタログや広報誌、店舗の内外装、自社製ソフトウェアの操作画面なども含まれる。文脈によっては、このうちインターネット関連の媒体のみを指す場合もある。
近年のオウンドメディアは、単なる企業情報や製品情報の掲載にとどまらず、利用方法や業界知識などのコンテンツを継続的に提供し、検索エンジンやSNS経由で見込み客を集めるマーケティング施策として運用されることが多い。B to B(法人向け)企業では、専門記事や導入事例を掲載し、購買を検討する企業担当者への情報提供に利用される例もある。
マスコミやSNS広告などが主に製品の告知や自社サイトへの誘導に使われるのに対し、オウンドメディアは集まった消費者や既存顧客に製品の魅力を伝えたり、繰り返しの購入を促したりする用途で使われることが多い。自社で掲載内容やデザイン、発信時期を制限なく管理できる点が強みであり、発信したコンテンツが蓄積され、長期的なマーケティング資産として活用できる。
近年では、生成AIや検索エンジンのAI要約機能の普及により、消費者の情報収集がWebページを経由しない形へと変化しつつある。これに伴い、オウンドメディアには従来の役割に加え、AIが参照する情報源としての役割も求められるようになってきている。
トリプルメディア
こうした企業にとっての情報発信の枠組みは、オウンドメディアのほかに「ペイドメディア」と「アーンドメディア」に分類される。「ペイドメディア」(paid media)は広告費を支払って既存メディアの一部を買い取り、自社の情報を発信する手法で、リスティング広告やSNS広告などが該当する。
「アーンドメディア」(earned media)は、消費者や顧客自身がブログやSNSなどで自社や製品について発信するもので、口コミやレビューが中心となる。この3つを組み合わせてマーケティング施策を設計する考え方を「トリプルメディア」(triple media)と呼ぶ。
一般に、ペイドメディアは即効性がある一方で広告費が継続的にかかり、アーンドメディアは信頼性が高い反面、企業側が内容を管理しにくいとされる。オウンドメディアは情報発信の自由度が高いものの、成果が出るまでに時間を要し、単独では到達範囲を広げにくい。このため、広告やSNSからオウンドメディアへ利用者を誘導し、閲覧状況を分析してコンテンツを改善するなど、複数の媒体を連携させて運用する企業が多い。