マルチテナント 【multi-tenancy】 マルチテナンシー

概要

マルチテナント(multi-tenancy)とは、SaaSASPサービスなどで、機材やソフトウェアデータベースなどを複数の顧客企業で共有する事業モデル。また、システムソフトウェアが複数の利用者で共有できるような設計・構造になっていること。

同じシステムサービスを複数の互いに無関係な利用者間が共同で利用する方式で、それぞれの利用者アカウント名などの資格情報を元に区別され、それぞれシステム上に専用の領域や設定などが与えられる。使用するコンピュータや利用できる機能、操作画面などはどの利用者も同じとなる。

事業者が用意した出来合いのシステムをそのまま使う形となるため、安価で迅速に利用を開始することができるが、利用者ごとのカスタマイズなどはできないか限定的で、資源の占有による性能の保証などもできない。主に一般消費者向けや中小企業向けのオンラインサービスなどがマルチテナント型のモデルを採用している。

これに対し、システムを単一の主体で占有して利用するような設計や構造のことを「シングルテナント」(single-tenancy/シングルテナンシー)という。仮想化技術により、物理的な資源は共有しているがソフトウェア的にはシングルテナントであるようなサービスも登場している。

(2023.6.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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