バックプレッシャー 【back pressure】
概要
バックプレッシャー(back pressure)とは、半二重接続のネットワーク機器などで用いられるフロー制御方式の一つで、受信側が記憶装置の容量の飽和を防ぐためにわざと送信側の送信動作を妨害・抑止する手法。イーサネット(Ethernet)のハブやスイッチなどの集線装置でよく採用される方式で、受信したデータの一時保管を行うバッファ領域があふれそうになると、あえてコリジョン(信号の衝突)の発生を通知するメッセージを相手方に送り、送信側の新たなデータの送り出しを一時的に中断させる。
送信側が一時停止している間に溜まったデータの送り出しを行ってバッファを空け、余裕ができたら抑止を解除して再びデータを送ってもらう。全二重接続の場合はコリジョンを起こすことができないためこの手法は使えず、代わりにIEEE 802.3x規格で定められたPAUSEフレームなどを用いて送信制御を行う。
転じて、連続的にデータの送受信を行うシステムで受信側からのアクションに基づいて送信の中断や再開などを制御する方式全般をバックプレッシャーと呼ぶことがある。ストリーミング配信などでこのような用例が見られる。
(2019.6.10更新)