SoR/SoE/SoI

概要

SoR/SoE/SoIとは、情報システムを主目的によって区別する分類法で、SoRはデータの記録、SoEは人や集団の関係性の構築や強化、SoI情報の分析や活用のためにそれぞれ構築される。

SoR (System of Record)

SoRは情報の記録(record)を主目的に構築される情報システムで、会計システムなど企業などの組織内部で業務の遂行のために用いられるものの多くはこれに分類される。

人間の活動に伴って発生する大量のデータを正確かつ効率的に記録、蓄積し、用途に応じて計算や加工をい、必要な形式で出力することを主な任務とする。1950年代のコンピュータシステムの商用化以降、近年になりSoE型のシステムが登場するまで企業などが構築してきたシステムの大半はこれに該当する。

SoE (System of Engagement)

SoEは人間と他の人間、組織、物事などの間の結びつき、関与(engagement)を作り出し、あるいは強化するために構築される情報システムで、情報の記録は機能の一部として提供されるが主目的ではない。

携帯電話電子メールSNSメッセンジャーなど人間の繋がりやメッセージの伝達をサポートするシステムが含まれる。企業内の業務システムでも、グループウェアやコラボレーションツールのように集団での共同作業を促進するもの、顧客との接点を担うものなどは一種のSoEと考えることができる。

また、そのシステムに多くの人間が集まって関与することによって成り立つ仕組みを含める場合もある。例えば、Wikipediaのような利用者参加型のコンテンツ作成プロジェクトオープンソースソフトウェア開発、利用者間のモノやサービスの交換・提供を取り次ぐネットサービスなどである。

SoI (System of Insight)

SoIは蓄積された情報の加工や分析を通じて何らかの有用な洞察(insight)を得ることを主目的とするシステムで、通常はSoRやSoEと組み合わせて用いられる。

例えば、ECサイト上で記録された顧客の行動履歴データを解析し、購買に至るまでの障壁になっている要因を探り出すシステムなどが該当する。得られた結果は成約率を高めるサイト改善案を考案することなどに役立つ。

(2020.10.15更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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