SOI 【Silicon on Insulator】
概要
SOI(Silicon on Insulator)とは、半導体チップの基板であるシリコンウェハの内部に絶縁体の層を作り、その上に極薄いシリコン膜を形成したもの。回路はこのシリコン結晶膜の上に焼き付ける。一般的な半導体製造プロセスではシリコン単結晶の基板の表面に回路を形成するが、回路中にあるトランジスタのソースやドレインから基板のシリコンに向けて電流が漏れるリーク電流が大きな問題となっていた。
SOIではシリコンウェハをシリコン基板-絶縁膜-シリコン膜の3層構造に加工し、表面のシリコン膜に通常の製造プロセスで回路を形成する。基板の下層との間に絶縁膜があることによりリーク電流を減らすことができる。
素子の下面が直に絶縁膜に接するほどシリコン膜を薄くしたものをFD-SOI(Fully-Depleted SOI)、素子の下部にもシリコンの層が入り込む厚い膜を用いるものをPD-SOI(Partially Depleted SOI)という。前者のほうが電流の遮断効果が大きく性能や特性を大きく向上させられるが、製造が難しくコストが高いため、実際に多く使われるのは安価な後者である。
(2018.11.11更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 NEDO海外レポート No.1079「MEPV (Microsystems-Enabled Photovoltaics)セルのマイクロファブリケーション」(PDFファイル)にて参照 (2011年11月)