カーボンフットプリント【carbon footprint】CFP

概要

カーボンフットプリントとは、製品やサービスの原材料調達から、製造、販売、使用、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの量を、CO2(二酸化炭素)に換算して表示する仕組み。製品の環境負荷を定量的に「見える化」するための代表的な指標の一つ。
カーボンフットプリントのイメージ画像

この仕組みの最大の特徴は、工場の煙突から出る煙のような製造段階の排出だけでなく、原料を運ぶ輸送、店舗での販売、消費者が使用する際の電力消費、そして最終的にゴミとして処理される段階まで、あらゆるプロセスを計算に含める点にある。これを「ゆりかごから墓場まで」の算定と呼ぶ。

温室効果ガスはCO2だけでなくメタンなど様々な種類があるが、これらを地球温暖化への影響度に合わせてCO2の重量(kg-CO2eなど)に換算し、合算して一つの数値として表す。これをパッケージなどに表示することで、通常は目に見えない環境への負荷が、具体的な数字として客観的に把握できるようになる。

導入の背景には、世界的な脱炭素化への要請がある。企業にとっては、サプライチェーン全体のどこで多くの排出が起きているかを特定でき、効率的な削減対策を講じるための基礎データとなる。消費者にとっては、価格や品質だけでなく「環境性能」を基準に商品を選択することが可能になる。カーボンフットプリントは、生産者と消費者の双方が、環境負荷低減に向けた行動を変容させるためのコミュニケーションツールとして機能する。

(2025.11.22更新)