DECT 【Digital Enhanced Cordless Telecommunications】
概要
DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)とは、1988年にETSI(欧州通信規格協会)が策定したデジタルコードレス電話の標準規格。主にヨーロッパで利用されてきた。日本におけるPHSに似た規格で、DECT端末は屋内では親機と無線通信するコードレス電話機や内線電話機として、屋外では通信事業者の無線基地局と通信する簡易携帯電話として利用することができる(DECTによる公衆通信サービスを展開している国の場合)。
無線電波の周波数帯は主に1.9GHz帯を使用し、双方向通信(デュプレックス)方式としてTDD(時分割複信)を、多元接続(アクセス多重化)方式としてTDMA(時分割多元接続)を用いる。
日本では2011年に電波産業会がARIB STD-T101として標準化した。従来の国内のコードレス電話は主に2.4GHz帯を利用しており、無線LAN(Wi-Fi)の普及により電波干渉が問題となってきたため、2011年以降に開発・発売された製品は順次DECTへの移行を進めている。
(2021.7.2更新)