NTT【Nippon Telegraph and Telephone】日本電信電話
持株会社の日本電信電話株式会社は、NTT法(日本電信電話株式会社等に関する法律)の規制を受ける特殊会社であり、東京証券取引所に上場している。同法により日本政府は発行済株式の3分の1以上を保有することとされている。
グループ全体の経営戦略を統括するほか、通信技術や光技術、人工知能(AI)などの分野で国内最大級の研究開発機関を兼ねる。近年では次世代の光電融合型の通信・計算統合基盤である「IOWN」(アイオン)の研究開発と実用化を推進している。
NTTグループ
グループの中核企業には、地域通信網を運営するNTT東日本(東日本電信電話)とNTT西日本(西日本電信電話)、移動体通信国内最大手のNTTドコモ、情報サービスおよびシステムインテグレーション(SI)国内最大手のNTTデータグループがある。NTTデータグループは独自に海外事業の拡大を進め、世界各国でITサービスを提供している。
長距離・国際通信やインターネットサービスプロバイダ(ISP)事業、法人向けクラウド・データセンター事業などを担うNTTコミュニケーションズも中核子会社の一角だったが、グループ再編で持株会社傘下からNTTドコモ傘下のNTTドコモビジネスへ改組され、法人向け事業の統合が進められた。他にも不動産や金融、エネルギーなどの分野で多数の子会社やグループ会社を持つ。
歴史
NTTの通信事業の起源は1890年に逓信省が開始した電話サービスで、戦後の1952年に日本電信電話公社(電電公社)として国有企業化された。1985年の通信自由化・電電公社民営化により日本電信電話株式会社(NTT)が設立され、「新電電」と総称される新規参入した通信事業者との競争が始まった。このときの参入組と国際通信を独占する公社だった国際電信電話(KDD)が統合・買収を繰り返し、現在のKDDIとソフトバンクに集約され、大手三陣営体制となった。
1999年のNTT再編によりNTT本体は持株会社となり、固定系通信のうち県内通信はNTT東日本・西日本、県間通信と国際通信はNTTコミュニケーションズの3社に分割された。移動体通信のNTTドコモ、情報サービスのNTTデータを合わせた5社を中核とする体制に移行し、持株会社を中心とするグループ経営体制が確立された。NTT法の規制対象は持株会社、NTT東日本、NTT西日本の3社であり、地域通信網の維持やユニバーサルサービスの提供など公共性の高い事業に関する責務が定められている。
NTT法をめぐっては、完全民営化を求めるNTTと、公正競争の阻害を懸念する競合他社との間で存廃論争が続いた。2025年に成立した改正NTT法では廃止は見送られ、固定電話の全国一律提供義務を他事業者がいない地域に限定するなど規制を緩和した上で存続する形となった。改正法は2026年春に施行された。
