APNIC 【Asia Pacific Network Information Centre】
概要
APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)とは、IPアドレスやAS番号などのインターネット上で利用される番号資源の管理を行う団体の一つで、アジア・太平洋地域を管轄する団体。1993年に発足し、本部はオーストラリアのブリスベンに置かれている。IPv4アドレスやIPv6アドレス、AS番号などはインターネット上でのネットワークや機器の識別に用いられ、重複が起きないよう割り当てる必要がある。世界全体では「ICANN」(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)という機関が管理を行っており、番号資源を大きなブロックごとに各地域を管轄する「地域インターネットレジストリ」(RIR:Regional Internet Registry)に割り当て、管理権限を移譲している。
APNICはRIRの一つで、域内へのアドレス資源の割り当てやWHOISサーバの運営などを行っている。管轄地域は東アジア、東南アジア、南アジア(アフガニスタン以東)、オセアニア、太平洋・インド洋東部の島嶼などである。
旧ソ連の中央アジア諸国やイラン以西の中東・西アジアはヨーロッパを管轄する「RIPE NCC」(Reseaux IP Europeens Network Coordination Centre)の、太平洋の南米沿岸の島嶼は本国と同じ扱いで中南米を管轄する「LACNIC」(Latin American and Caribbean Internet Address Registry)の範囲となっている。
太平洋の米領のうちグアムや米領サモアはAPNIC管轄だが、ハワイやアリューシャン列島などは本国と同じ扱いで北米を管轄する「ARIN」(American Registry for Internet Numbers)の範囲となっている。
また、インド洋のうちアフリカ沿岸の島嶼国(マダガスカル、セーシェル、モーリシャス)は当初APNICに属していたが、アフリカを管轄する「AfriNIC」(African Network Information Center)が新設されるとそちらへ移管された。
国別インターネットレジストリ (NIR)
他のRIRのほとんどはRIRが域内のインターネットサービスプロバイダ(ISP)事業者などに直接アドレス資源の割り当て業務を行っているが、APNIC管轄地域では国ごとにアドレス資源の管理を行う「国別インターネットレジストリ」(NIR:National Internet Registry)が設けられており、APNICはNIRへ資源をブロック単位で割り当て、管理権限を移譲している。
日本はNIRが置かれた国の一つで、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)がAPNICから移譲されたアドレス資源の管理を行っている。APNIC傘下では他に中国、台湾、韓国、ベトナム、インドネシア、インドにNIRが置かれており、世界の他の地域ではLACNIC傘下のメキシコ、ブラジルにNIRがある。