ABAP 【Advanced Business Application Programming】
概要
ABAP(Advanced Business Application Programming)とは、独SAP社のソフトウェア製品と連携して動作する追加プログラムを開発するためのプログラミング言語および開発・実行環境。ERPパッケージのR/3やインメモリデータベースのS/4HANAなどの同社製品を導入・運用する際、追加機能(アドオン)を独自に開発したい場合に利用される。同社のシステムにはABAPプログラムを追加・実行する仕組みが備わっており、記述したプログラムを登録すればすぐに利用できるようになる。
同社ではABAPによるプログラム開発を支援する統合開発環境(IDE)として「ABAP Workbench Tools」およびEclipseベースの「ABAP Development Tools」が提供されており、コードの記述や表示・操作画面設計、デバッグなどを行なうことができる。
ABAPでは用途や処理内容に応じてプログラムのタイプ(種類)が定義されている。実行可能プログラム、レポート(REPORT)、モジュールプール(Dynpro)、汎用モジュール(Function Module)、クラスプール、サブルーチンプール、インクルードプログラムなどの中から選択する。
基本的な構文は手続き型プログラミング言語のそれであり、ステートメント(命令)に続けて処理対象やパラメータなどを指定する。制御構文で条件分岐や繰り返しなどを記述できるほか、オブジェクト指向の機能もありクラスを定義することができる。
ABAPer (アバッパー)
日本のIT業界では、ABAPを利用してソフトウェア開発を行なうことができる技術者のことを俗に「ABAPer」(アバッパー)と呼ぶことがある。ABAPはSAP専用の言語であるため人気の言語に比べ開発機会、人材ともに限られているとされる。ABAPerはABAPの言語仕様の知識やコーディング技能だけでなく、基盤となるSAP製ERP製品やデータベースなどに関する理解も必要となる。
(2023.8.16更新)