ローエンドモデル【low-end model】エントリーモデル
概要

同世代の製品ラインナップの中で、拡張性や付加的な機能を削り、基本的な用途に絞った構成にすることで、販売価格の低さを実現している。パソコンやスマートフォンであれば、処理性能やメモリ容量、ストレージ容量などが必要最小限に抑えられる。
初期費用を抑えられるため、その製品カテゴリーを初めて購入する層に向くとされることが多い。一方、パソコンなどのデジタル製品は、限られた性能や容量で快適に使い続けるには一定の知識や工夫が必要になる場合があり、ある程度性能に余裕を持たせたミドルレンジモデルの方が結果的に使いやすいという考え方もある。
パソコンの場合、主な用途としてはWebサイトの閲覧や電子メールの送受信、文書作成など、処理負荷の軽い作業が中心となる。高度な画像処理や動画編集、3Dゲームなど処理能力を必要とする用途では性能不足になりやすく、最新のソフトウェアが要求する仕様を満たせなくなることで、買い替えまでの期間が短くなる場合もある。家庭向けの普及機や教育機関向けの端末、企業が大量に導入する標準機器として採用される例も多い。
「ローエンド」は製品全体に共通する絶対的な性能基準ではなく、同じ市場や製品群の中で相対的に低価格・低性能であることを示す表現である。従って、ある時点でローエンドに分類される製品でも、技術の進歩によって従来の上位機種に近い性能を持つことがあり、製品分野によってローエンドと呼ばれる価格帯や性能水準も異なる。
これに対し、同じ製品カテゴリーの中で最も高価格・高性能な製品は「ハイエンドモデル」(high-end model)あるいは「フラグシップモデル」(flagship model)と呼ばれ、ローエンドモデルとハイエンドモデルの中間に位置する価格帯・性能の製品は「ミドルレンジモデル」(middle range model)あるいは「ミッドレンジモデル」(mid-range model)と呼ばれる。これら三つの区分は、パソコンやスマートフォン、家電製品など、同一シリーズ内で複数のグレードが用意される製品分野で広く使われている。
製品によっては、ローエンドモデルであっても上位モデルとほぼ同等の基本性能を備えている場合もあり、価格差ほど機能面での差が大きくないこともある。製品を選ぶ際には、グレード名だけで判断せず、用途に必要な処理性能や容量、将来的な利用期間などを踏まえて実際の仕様を比較検討することが重要とされる。