Windows Server 2008
概要
Windows Server 2008とは、2008年に発売された米マイクロソフト(Microsoft)社のサーバ向けオペレーティングシステム(OS)製品。Windows Server 2003 R2の後継で、デスクトップ向けのWindows Vistaと同世代の製品である。2009年9月には改良版の「Windows Server 2008 R2」が発売された。「Windows Server」はMicrosoft社のサーバ向けOSの製品シリーズで、ネットワーク上で他のコンピュータに機能やデータを提供するサーバの運用に適した構成となっている。数人のグループで利用する小規模サーバからインターネット上のサービス提供に用いる大規模サーバまで構築することができる。
Windows Server 2008は標準で全エディションに64ビット環境(x64)対応版が用意されたほか、仮想化マシンモニタ(ハイパーバイザ)「Hyper-V」によるサーバ仮想化のサポートや、必要最低限の機能のみをインストールできる「Server Core」オプションの提供、「Windows PowerShell」の標準搭載、BIOSに代わるUEFIのサポート、Webサーバソフト「Internet Information Services」(IIS)バージョン7.0の同梱などが主な改良点。
小規模サーバ向けの「Standard」エディションの他に、大規模サーバ向けの「Enterprise」、仮想マシンを無制限に生成できるデータセンター向けの「DataCenter」、15人までの小規模事業所向け「Foundation」の各エディションが用意された。さらに、特定用途に特化した「Windows Web Server 2008」「Windows Storage Server 2008」「Windows HPC Server 2008」「Windows Small Business Server 2008」などの派生商品が提供されている。
Windows Server 2008 R2
2009年9月に発売された、Windows Server 2008の改良版を「Windows Server 2008 R2」という。デスクトップ向けのWindows 7と同世代の製品にあたる。
32ビット環境(x86)のサポートが廃止され、64ビット環境(x86-64/IA-64)でのみ動作する。マルチコア対応、マルチプロセッサ対応の強化で合計256コアまで利用可能になったほか、CPUやストレージの細かな電力管理による消費電力の削減、必要最低限の機能のみをインストールできる「Server Core」オプションの機能強化(.NET FrameworkやWindows PowerShellへの対応)、WebサーバソフトのIIS 7.5の同梱などが主な改良点。また、仮想化機能「Hyper-V」がバージョン2.0となり、VDI(仮想デスクトップインフラ)やライブマイグレーション、64コアまでのCPUに対応した。
Windows Server 2008同様、小規模サーバ向けの「Standard」エディションの他に、大規模サーバ向けの「Enterprise」、データセンター向けの「DataCenter」、小規模事業所向け「Foundation」の各エディションが用意され、特定用途に特化した「Windows Web Server 2008 R2」「Windows HPC Server 2008 R2」などの派生商品が提供されている。