GLBP 【Gateway Load Balancing Protocol】
概要
GLBP(Gateway Load Balancing Protocol)とは、ネットワーク上で複数のルータを束ねて一体的に運用するための制御情報を伝送するプロトコル(通信規約)の一つ。米シスコシステムズ(Cisco Systems)社が開発したもので、同社製ルータで使用できる。物理的には複数台あるルータを外部からは一台に見せかけることで、デフォルトゲートウェイを冗長化して信頼性を高めることができる。同種のプロトコルであるHSRPやVRRPと異なり、複数のルータが同時にゲートウェイとして動作し、負荷分散を行なうことができる。
GLBPではグループに設定されたルータ群の中からリーダーであるAVG(Active Virtual Gateway)が選出され、残りの各ルータ(AVF:Active Virtual Forwarder)にそれぞれ異なる仮想MACアドレスを配布する。AVGはグループを代表して端末からのARPリクエストに回答し、各AVFのMACアドレスを順番に回答する。
これにより、各端末は同じ仮想IPアドレスをデフォルトゲートウェイとして利用しているが、端末によって実際にアクセスしているAVFは異なるという状態が実現できる。AVFは4台まで設定でき、AVGが障害などで停止した場合は一台がAVGに昇格して処理を続行する。
デフォルトゲートウェイを冗長化するプロトコルはFHRP(First Hop Redundancy Protocol)と総称され、GLBP以外にもCisco社独自のHSRP(Hot Standby Router Protocol)や標準規格のVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)がある。
(2022.2.4更新)