電子発注システム 【EOS】 Electronic Ordering System
1970年代末から主に小売業と卸売業の間で導入されたもので、それまで紙に手書きした伝票などを元に電話や対面で行っていた発注業務を、コンピュータと通信回線を組み合わせたシステムを用いて電子的に行う。店頭でハンディターミナルなどの端末を利用し、在庫管理と連動して不足している商品を自動発注するなどの仕組みが導入される場合もある。
複数の発注先にそれぞれ連絡を取らなくてもコンピュータが自動的に相手先に発注データを送信してくれるため、主に発注側の業務の省力化や時間の短縮を図ることができ、また、伝票の転記ミスや聞き間違いによるミスなどを減らすことができる。
当時はデータ形式やコード体系、データ交換手順などが標準化されておらず、企業ごとに独自のシステムを利用していたため、受注側は取引先ごとに異なるシステムや業務手順に対応しなければならず、負担が大きかった。このため、電子発注システムを導入できるのは一社の取引量の多い量販店や大手小売チェーンなどが主であった。
電子発注システムの適用範囲を拡大し、受発注だけなく出荷や納品、請求、支払いなどを一括して取り扱うことができるようにしたデータ交換システムのことを「EDI」(Electronic Data Interchange)と呼び、電子発注システムに代わって1990年代頃から普及が進んだ。
(2020.9.29更新)