変数名 【variable name】
プログラムは実行時にコンピュータのメインメモリ(RAM)内にデータの保管領域を確保し、データの書き込みや読み出し、書き換えなどを行うことができる。コンピュータ内部では個々のデータの記憶位置を番地(メモリアドレス)で識別・指定するが、人間には分かりにくいため、プログラミング言語で記述するプログラム(ソースコードという)の中では、名前の付いた「変数」(variable)として扱う。
仕様上の命名規則
変数名として使用可能な文字の種類や名付けの規則(禁止事項)は言語仕様によって決まっているが、C言語では半角英数字(0~9、a~z、A~Z)とアンダーバー(_)のみ使うことができ、この仕様を踏襲している言語が多い。数値リテラルと区別する必要から、先頭に数字を使うことはできない。多くの言語は英大文字と小文字を別の文字として区別するが、同一視する言語もある。
先頭や末尾に特定の記号を付けることでデータ型やデータ構造(コレクション)の種類を指定することができる言語もある。例えば、Perlでは「$a」のように先頭が「$」(ドルマーク)の変数はスカラ変数を表しており、Visual BasicやVBAでは「a$」のように末尾が「$」の変数は文字列型となる。
慣習上の命名規則
言語仕様上の変数名の規則とは別に、言語ごとの慣習や、組織・プロジェクトごとに命名規則を定めて一定の規則性に従って命名する場合もある。例えば、先頭にデータの種類を表す接頭辞を付ける命名法を「ハンガリアン記法」という。「jpyPrice」のようにデータの意味を表すものを「アプリケーションハンガリアン」、「bChecked」のようにデータ型などを表すものを「システムハンガリアン」という。
また、複数の単語を連ねて変数名とする場合に、「fooBarBuz」のように単純に連結して各単語の先頭を大文字にする方式を「キャメルケース」、「foo_bar_buz」のようにアンダーバーで区切る方式を「スネークケース」という。キャメルケースのうち、「FooBarBuz」のように変数名自体の先頭を大文字にする方式は「パスカルケース」とも呼ばれる。