光通信 【optical communication】 光ファイバー通信
概要
光通信(optical communication)とは、信号の伝送媒体として光(可視光線)を利用する通信方式。一般的には、光ファイバーケーブルに光線を照射する光ファイバー通信のことを指す。機器間をガラスや透明なプラスチックでできた通信ケーブルで結び、送信側の発光素子から信号を変調した光を照射する。受信側の受光素子で受けた光を復調し、元の信号を得る。
金属線に電気信号を通す方式に比べ、電磁的なノイズの影響を受けず、盗聴・傍受がしにくい。波長の異なる光が互いに干渉しない性質を利用するなどして信号を高密度化することができ、高速に通信することができる。レーザー光を使用すると長距離を安定的に伝送できる。
コンピュータや通信機器は内部の信号の伝送や処理を電気によって行うため、送受信装置内で電気信号と光信号の相互変換が必要で、装置が大掛かりで高コストになりやすい。光ケーブルは金属線ケーブル(メタルケーブル)のようにきつい角度に曲げることができず、(特に室内での)配線の自由度に制約がある。
現代では主に屋外・遠距離の高速デジタル通信に用いられ、通信事業者の拠点間や大陸間の通信は光通信が主流となっている。また、先進国では家庭や事業所などの固定通信回線(インターネット回線)としても広く普及しており、従来メタル回線(アナログ電話回線)で実現していた電話やファクシミリなども光回線によるデジタル通信で置き換える(光電話)動きが進んでいる。
光を利用した通信には光ファイバー通信以外にも、空中に光信号を照射し、アンテナで受光する光無線通信がある。相手のアンテナに向けてレーザー光を直に照射する方式は人工衛星間の通信などで用いられており、照明の光などに信号を重畳する可視光通信も研究・開発が進んでいる。
(2021.6.15更新)