リープフロッグ現象 【leapfrogging】
概要
リープフロッグ現象(leapfrogging)とは、新興国で特定の技術やインフラが先進国よりも速いスピードで整備、浸透する現象。既存の制度やインフラとの摩擦がないために生じる。“leapfrog” とは日本でいう「馬跳び」のこと(英語では蛙の跳躍に例えている)で、派生して「追い抜く」「飛び越す」などの意味もある。新しい技術や製品、サービス、産業などが生まれると、先進国では既に普及済みの同種の存在と競合、摩擦を生じてゆっくりと普及することが多い。これは、維持や置き換えが必要な既存インフラ、旧技術を前提とした法制度、既存の事業者や業界との軋轢、消費者の古い認識や惰性などが普及を妨げる抵抗力として働くためである。
一方、先進国にある既存の技術やインフラなどが未整備あるいは貧弱な新興国に新しい技術が持ち込まれると、こうした「しがらみ」が存在しないか小さいため、先進国がたどったような普及や発展の段階をスキップして一足飛びに最新技術が社会へ浸透することがある。このような現象をリープフロッグ現象と呼ぶ。
例えば、電話回線など有線の通信インフラが貧弱だったアフリカや東南アジアなどに最新規格に対応した携帯電話技術が持ち込まれ、一部の先進国を追い抜く勢いで急速にモバイルデータ通信やスマートフォンが普及した事例がよく知られている。これらの国ではモバイル環境を前提とした決済システムや新たなネットサービスが急成長するなど、産業や生活への副次的な影響が見られる場合もある。
(2022.2.15更新)