読み方 : リープフロッグげんしょう

リープフロッグ現象【leapfrogging】

概要

リープフロッグ現象とは、新興国で特定の技術やインフラが先進国よりも速いスピードで整備、浸透する現象。先進国が経験した発展段階を飛び越えて、いきなり最新技術が普及する現象で、既存の制度やインフラとの摩擦が少ないために生じると考えられている。
リープフロッグ現象のイメージ画像

“leapfrog” とは日本でいう「馬跳び」のことで、英語では蛙の跳躍に例えている。派生して、「追い抜く」「飛び越す」などの意味で用いられる表現である。リープフロッグ現象とは、技術革新や社会インフラの普及過程において、従来の発展段階を順に経るのではなく、途中の段階を省略して一足飛びに最新技術が導入される現象を指す。開発経済学や社会学、国際ビジネスなどの分野で用いられる概念である。

先進国では、新しい技術や製品、サービス、産業などが生まれると、既に普及済みの旧世代の仕組みとの競合や摩擦を生じ、徐々に普及することが多い。これは、維持や置き換えが必要な既存インフラ、旧技術を前提とした法制度、既存の事業者や業界との軋轢、消費者の古い認識や惰性などが普及を妨げる抵抗力として働くためである。

一方、先進国で普及済みの既存の技術やインフラなどが未整備あるいは貧弱な新興国に新しい技術が持ち込まれると、こうした「しがらみ」が存在しないか極めて小さいため、先進国がたどったような普及や発展の段階をスキップして、一足飛びに最新技術が社会へ浸透することがある。このような過程をリープフロッグ現象と呼ぶ。

例えば、電話回線など有線の通信インフラが貧弱だったアフリカや東南アジアなどに、最新規格に対応した携帯電話技術が持ち込まれ、一部の先進国を追い抜く勢いで急速にモバイルデータ通信スマートフォンが普及した事例がよく知られている。これらの国ではモバイル環境を前提とした決済システムや新たなネットサービスが急成長するなど、産業や生活への副次的な影響が見られる場合もある。例えば、ケニアではモバイル決済サービス「M-PESA」が生まれ、銀行口座を持たない人々の間に携帯電話を通じた金融サービスが急速に浸透した。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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