TVOD 【Transactional Video On Demand】

概要

TVOD（Transactional Video On Demand）とは、動画配信サービス(VOD)の類型の一つで、動画ごとに規定の料金を支払うと、一定の期間(通常は数日)だけ自由に視聴することができるもの。レンタルビデオ/DVDに似た方式であるためサービス内では「レンタル」の呼称で案内されることが多い。

VOD（Video On Demand：ビデオオンデマンド）は事業者が提供する動画作品を視聴者が好きなときに再生して視聴することができるサービスで、古くはケーブルテレビなどを利用したサービスが、近年ではインターネットを利用した動画配信サービスが提供されている。

VODはコンテンツの提供方法によりいくつかに分類されるが、TVODは加入者がコンテンツを選択して料金の決済を行なうと、そこから規定の期限まで自由に何度でも視聴できるようになる方式を指す。料金や期間はサービスやコンテンツにより異なるが、レンタルDVDと同程度の1本あたり百数十円～数百円で数日～1週間程度見られることが多い。

TVOD単体でサービス展開することは稀で、総合的なアプリ・コンテンツ配信サービスなどの一環としてTVODによる動画配信を行ったり（Google Playなど）、サブスクリプション型（定額見放題型）のSVOD サービスで一部の動画だけ別売りのTVOD提供（Amazon Prime Videoなど）とすることが多い。

動画の視聴に都度課金する方式には「PPV」（Pay Per View：ペイパービュー）もあるが、PPVは一度だけ視聴可能な提供方式を指すことが多く、ライブ配信などでよく用いられる。とはいえ、「TVOD」という用語はあまり普及していないため両者の区別は曖昧で、実際にはTVOD（蓄積配信型/視聴期限あり）であるものをPPVと呼ぶこともある。

一方、VOD サービスのうち広告が差し込まれて配信される代わりに無料で視聴できる方式を「AVOD」（Advertising VOD）、月々定額料金制で動画が見放題の提供方式を「SVOD」（Subscription VOD）、動画データをダウンロード購入するか永続的な視聴権を購入する方式を「EST」（Electronic Sell-Through）という。

(2022.2.2更新)