MPEG-7【ISO/IEC 15938】
概要

映像の色や形、テクスチャ、動きといった機械が抽出する特徴量と、登場人物や場所、撮影日時といった人間が理解できる情報の双方を、統一した形式で記録できる。これにより、似た場面を探し出す類似検索や、条件を指定した検索が可能になる。
記述にはXMLをベースとした「DDL」(Description Definition Language)というマークアップ言語が用いられ、個々の特徴を表す記述子(Descriptor)と、それらを組み合わせて構造化する記述スキーム(Description Scheme)によって内容を表現する。記述データはテキスト形式のほか、バイナリ形式に変換して扱う仕組みも用意されている。
MPEG-1やMPEG-2、MPEG-4は動画や音声の圧縮や符号化の方式を定めた規格であるのに対し、MPEG-7では符号化方式そのものは規定せず、付加情報の記述形式のみを定めている。そのためMPEG-1/2/4と組み合わせて利用できるほか、MPEG以外の方式で作成された映像や音声データに対しても情報を付加することができる。
規格はシステムやDDL、視覚記述、音声記述、マルチメディア記述スキームなど複数のパートから構成され、用途に応じたプロファイルや検索用の仕様も定められている。2015年にはISO/IEC 15938-13として、画像の視覚的な内容を効率よく比較・検索するためのコンパクトな視覚記述子「CDVS」(Compact Descriptors for Visual Search)も規格化された。
近年では、AIによる画像認識や機械学習技術の発展に伴い、コンテンツの自動タグ付けや映像解析システムの基盤として利用されるようになっている。2024年に改訂されたパート17では、多重メディア解析に用いるニューラルネットワークのパラメータを圧縮する仕組みも規定されるなど、規格の拡張は現在も続いている。