不等号 【inequality symbols】

概要

不等号(inequality symbols)とは、2つの数の大小関係を表す数学記号。「>」「<」「≧」「≦」などの種類があり、左辺と右辺の大小を表す。プログラミングでは「>=」「<=」などで代用することが多い。

「aはbよりも大きい」ことを「a>b」と表す。左辺が右辺より大きい(greater than)ことを「>」(大なり記号)で、左辺が右辺より小さい(less than)ことを「<」(小なり記号)で、大きいか等しいことを「≧」(大なりイコール)で、小さいか等しいことを「≦」(小なりイコール)で表す。非常に大きい場合を「≫」、非常に小さい場合を「≪」とすることもある。

大なりイコールは日本では「≧」と書くことが多いが、欧米などでは「≥」か「⩾」が主流の国が多く、日本でも人によってはこれらを常用することがある。小なりイコールも同様に、日本では「≦」とするが、「≤」か「⩽」の国が多いとされる。

「等しくない」を意味する記号「≠」のことは「否定等号」「等号否定」「ノットイコール」などと呼び、不等号の一種とする場合もあるが、大小関係が定義できない対象にも用いることができるため不等号には含まれないとする考え方もある。

プログラミングにおける不等号

プログラミングでも、数の大小などを比較する際に「>」や「<」を用いることが多い。ASCII文字コードには「≧」や「≦」がないため、大なりイコールは「>=」や「=>」で、小なりイコールは「<=」や「=<」で代用することが多い。

等号否定「≠」は「!=」とする言語が多いが「<>」とする言語もある。RubyPerlには「<=>」という比較演算子(通称:宇宙船演算子)があり、左辺が右辺より大きければ「1」、等しければ「0」、小さければ「-1」を返す。

不等号に由来する記号文字「>」「<」は不等号以外にも様々な場面で用いる。HTMLXMLのように山括弧 〈 〉の代わりに文字列の範囲を括る記号としたり、ビットシフト演算で「>>」を右シフト、「<<」を左シフトとしたり、「->」や「=>」を矢印のように使ったりすることがある。

(2023.10.30更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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