VLSI 【Very Large Scale Integration】
概要
VLSI(Very Large Scale Integration)とは、IC(集積回路)の歴史的な分類の一つで、一枚の半導体チップに10万以上の電子部品などを集積した製品のこと。現代では集積度に関わらず単にICやLSIの言い換え、同義語として用いられることが多い。集積回路(IC:Integrated Circuit)とは、トランジスタや抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの多数の微細な電子部品とそれらを結ぶ金属配線を一枚の半導体基板の上に一体的に形成し、全体として複雑な機能を持たせたチップ(小片)状の電子部品である。
1960年代の初期のICは一枚のチップに素子が十数個程度の単純な構造だったが、部品や配線の微細化、集積度の向上が急激に進み、回路規模によって製品を分類するようになった。素子数が数百程度のものを「MSI」(Medium Scale Integration:中規模集積回路)、数万程度のものを「LSI」(Large Scale Integration:大規模集積回路)と区分し、初期のチップは「SSI」(Small Scale Integration:小規模集積回路)と呼ばれるようになった。
1980年代には10万を超える素子を集積したチップが製造できるようになり、VLSIと呼ぶようになった。その後、集積度が100万を超えるチップを指す「ULSI」(Ultra-Large Scale Integration)という呼称も考案されたが、次第に回路規模で名称を区分する意義が失われ、今日では回路規模によらず単に複雑で大規模なICチップという意味でVLSIという用語を用いる。
(2022.11.20更新)