RCA端子 【RCA connector】 RCAケーブル
概要
RCA端子(RCA connector)とは、映像や音声の信号伝送に用いられる入出力端子およびケーブルの一つ。ケーブル側(オス側)の端子(プラグ)は内部の信号線と繋がった中心のピンを金属製の薄いリングが取り囲んだ構造になっている。機器側(メス側)の端子(ジャック)はピンを差し込む穴の周りを樹脂製のリングが取り囲み、その外側にプラグ側のリングが覆いかぶさるように挿入される。信号はピンを流れ、外側のリングはグランド(GND)用である。
1930年代に米RCA(Radio Corporation of America)社が開発したためこのように呼ばれる。映像や音声のアナログ信号の伝送のために広く利用されており、用途によって流れる信号の形式は異なるが、端子やケーブルの構造や仕様は同じであるため使い回すこともできる。
一つの機器が複数(機種によっては多数)のジャックを備えていたり、複数のケーブルを同時に使用して信号を伝送する用途もあるため、用途によってプラグの樹脂部分(ジャックは絶縁体のリング部分)を色分けすることがある。
色の規格は米業界団体CTA(Consumer Technology Association)が定めており、モノラル音声は黒、ステレオ音声の左は白、ステレオ音声の右は赤、コンポジット映像信号は黄色、コンポーネント映像信号のY(またはG)は緑、Cb/Pb(またはB)は青、Cr/Pr(またはR)は赤などとなっている。例えば、コンポジット映像+ステレオ音声ならば白・赤・黄を一つのセットにして接続する。
RCAケーブルは一本の信号線のみを用いる構造であるため、信号の種類が増えるとその分だけケーブルと端子も増えてしまう。コンポーネント映像やコンポジット映像では3本のケーブルを束にして接着し、末端が三叉のRCA端子になっている専用のケーブルが用いられることもある。デジタル時代になるとRCA端子はあまり使われなくなり、複数の信号線を一本のケーブルに束ね、多数の接点を持つ端子で接続する規格(HDMIなど)が用いられるようになっている。