MNG 【Multiple-Image Network Graphics】

概要

MNG(Multiple-Image Network Graphics)とは、静止画像形式のPNG(Portable Netwok Graphics)を拡張し、簡易な動画を記録できるようにしたファイル形式。標準のファイル拡張子は「.mng」。

PNGGIFGraphics Interchange Format)の代替として開発された画像ファイル形式で、画質を損なわない可逆圧縮が可能でイラストや図形などの記録に向いている。

MNGはPNGの拡張仕様として開発され、PNGの画像形式を基礎として、複数の画像を一つのファイルに連結して簡易な動画を作成することができる。音声を収録することはできない。ちょうどGIF形式における「アニメーションGIF」を代替する形式として期待された。

MNGの仕様策定は野心的に進められ、直前の画像からの差分のみを記録することでデータ容量を削減したり、写真など自然画の記録に適したJPEG画像基盤とするJNG形式を策定したり、複雑な時系列制御を可能にするなど様々な仕様が取り込まれた。

2001年に策定された最終的な仕様は膨大となり、動画制作や再生のためのソフトウェア実装が困難となった。対応ツールは限られ、WebブラウザMozillaFirefoxの前身)の一部バージョンが対応したのみであるなど、ほとんど普及していない。

PNGベースの簡易動画ファイル形式としては、後にアニメーションGIFのようなシンプルな仕様のみに限定した「APNG」(Animated PNG)が策定され、主要Webブラウザの対応が進むなど広く普及している。

(2022.6.4更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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